認知症

帰りに駅前を通りかかったら、横断歩道付近でおじいさんが立ち往生。自転車に捕まって体を支えたまま動けなくなっていた。通りがかりのOLさんと二人で歩道の脇に移動した。身分証のようなものは無く、家の電話番号も覚えていないらしいが、聞けば帰宅方向が同じだったので、しばらく休んでから一緒に帰ることにした。


でも足下が覚束なく、休み休みで1時間半で500mも進めず、道はわかるということだったので「自転車はひとまず置いて、タクシーで帰りましょう」とタクシーを拾った。道案内に従って走っていくと、車は湯島から御徒町、上野方面へ。「これは絶対に変だ」と運転手さんと話して、そのまま引き返して、乗車地点最寄りの警察署へ。事情を話して保護してもらった。自転車は駐車場所まで警察が引き取りに来て、私は自分の自転車に乗って帰宅。


しばらくして警察から電話があって、無事家族と連絡が取れたそうだ。聞けばかなり遠いところで、タクシーでの道案内はあながち間違っていなかった。タクシーの運転手さんに聞いたのだけれど、認知症でも自転車に乗って出かけると結構遠くまで行ってしまうことがあるらしい(身内にいらっしゃるそうだ)。今日のおじいさんが、本当にそうだったかはわからないけれど、ちょっといろんなことを考えさせられる出来事だった。認知症のこと、体が弱るということ、バリアフリーのこと。


しかし警察署って、いくつになっても緊張する。別に悪いことしてないけど、いいことで行くことってないしね(笑)。